2022年11月1週目 バースデイディナーは回らないお寿司!
今年もやってきた。「年齢」という、便宜上決められた数字がひとつ増える日。
誕生日だ。
もちろん、こうして今年も誕生日を迎えられるのは幸せなこと。そして祝ってくれる彼氏さんがいる。文句を言ったら罰が当たる。
お母さん、産んでくれてありがとう。
誕生日にはちょっと高級な物をご馳走する。それが私と彼の決まり事になっていた。年に2回、おいしい物を食べられるというわけだ。
今年の誕生日はお寿司に決まった。前から行きたかったお店。カウンターがある’回らない’お寿司は久しぶりだ。
体調はというと、倦怠感はあった。仕事を終えるとぐったりしてウォーキングもできない。
腰や首の痛みは慢性的なものになり、多少の力仕事も億劫になっていた。
明らかに10月より体が弱っている。
ストレスに違いない。
11月から本社に異動になり業務の引継ぎを受けていた。覚えることはたくさんある。慣れないことをすると疲れるものだ。
そう解釈し、体調不良の原因を単なるストレスや疲れからくるものだとした。
お寿司を食べて元気になろう!
ワクワクしながら誕生日を待った。
誕生日当日は頭痛との闘い。
頭痛が止まらない。
お店に行く道中も痛みが気になってしょうがない。なぜだ、こんな時に…
今日は彼氏さんがハンドルキーパー。主役の私はお酒を飲む気満々だった。このままではお酒どころかお寿司も楽しめない。
急いで薬局に寄ってもらい、鎮痛剤を購入してすぐに飲んだ。
「効きますように」と祈った。
祈りが通じたのか、食べ始める頃には頭痛は治まっていた。
生ビールを片手に口の中でとろけるネタに舌鼓を打つ。この上ない幸せだ。
ひとつひとつ丁寧に握られるお寿司。そしてそれは瑠璃色のおしゃれなお皿にそっと置かれる。私はその度にスマホを取り出し、写真に収めた。
誕生日って最高だ!
食欲は無限だった。とにかく食べられる。
食欲不振とはおよそ正反対のところにいた私。体重も増えている実感があった(怖くて体重計には乗れない)。
ビールが終わると次は日本酒。お寿司に日本酒、合わないわけがない。
ハンドルキーパーの彼はウーロン茶。今日は許してね、と心の中で謝った。
どれだけのお寿司を食べただろう。
どれだけのお酒を飲んだだろう。
私たちは大満足で帰路に着く。
誕生日のこの日、私は最高にうまいお寿司を食べることができた。
最後の晩餐になるとは夢にも思わなかった。
自宅に着いた頃にはすっかり体調が悪いことも忘れていた。頭痛も治まっている。仕事は大変だけど、また来週から頑張ろうという気持ちになれたくらいだ。
しかし、物事はそんなにうまく運ばない。これが最後のお寿司になるなんて、この時はまだ知る由もない。
後になって思った。11月の第1週に誕生日があってよかったと。なぜなら第2週目に入ると、私の体調は恐ろしいほどの勢いで悪化し、すべてが、運命が変わってしまうからだ。
続きは次回のブログで
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