2024年3月 関節痛が治る

闘病記【退院後の生活】

関節痛とステロイドの関係

初めて関節痛というものを経験したのは去年の1月末だった。地固め療法の1クール目が終わったころだ。

指のひとつひとつの関節、肘も膝も、身体中どこもかしこも動かすと痛かった。歩くとかかとも痛い。地面に足をつかずに歩けたらどんなに楽かと思ったほどだ。

抗がん剤の副作用ではないかと医師に聞いてみたが、それは関係ないと思いますというのがその時の答えだった。

でも抗がん剤を投与するとそれまでの痛みが嘘のようになくなる。毎回そうなのだ。そしてしばらくするとまた痛み出す。

そうなるとやはり抗がん剤と何か関係があると思うのが自然だ。

私はある看護師の「ステロイド説」を推している。

人工的にステロイドを取り入れると、本来副腎皮質ホルモンを作っている副腎が怠ける。自分で作らなくてもいいんだ、と勘違いするそうだ。で、ステロイドの投与をやめてもしばらくその怠け癖が抜けない。そうなると体内の副腎皮質ホルモンが足りなくなり、いわゆる離脱症状というものが現れることがある。倦怠感、食欲不振、関節痛などがそれだ。

これを聞いたときに合点がいった。

なるほど。

確かに、最初の寛解導入療法ではかなりの量のステロイド(プレドニン)を飲んでいた。徐々に減量し、退院時に中止となった。その時は関節痛にならなかったのだが、おそらく、症状が出る前に化学療法が始まり、ステロイドもその時投与されたからだろう。そしてその1クール目の終わりごろ、関節が痛み出したわけだ。

退院中は痛みで日常生活が制限された。それなのに2クール目で抗がん剤治療をするとぴたりと痛みがなくなった。そして2週間くらいするとまた痛み出した。運が悪いことに、退院している時に限って痛みが酷くなる。そういうサイクルなのだろう。

最後にステロイドを使ったのは骨髄移植の時だった。その後、関節痛に悩まされることはなかった。

やはり、ステロイド説は正しいと思えた。

そのまま行ければよかったのだが、7月に退院してから食べられなくなり、8月に再入院をした。この時に再度ステロイドが使われた。結果、半年ほど離脱症状に苦しむことになるのだが、ステロイドのおかげで体調が劇的に改善したのも事実なわけで、副産物としての関節痛は致し方ない。

関節痛がなくなる

ステロイドは5か月かけて減量し、1月の中旬に中止となった。

減量中、食欲不振になったことはない。倦怠感は一度だけあったが数日で治まった。関節痛だけが徐々に悪化していった。

不幸中の幸いか、以前のようにかかとが痛いということはなく、歩くのに支障はなかった。

それでも指の関節や肘は痛いし、筋肉痛もあいまって身体を動かすのは億劫だった。

医師に、骨髄移植の影響ということならば、そのまま拘縮してしまうこともあるなどと脅され、やきもきした。

そんな悩みの種だった関節痛に変化が現れたのは2月の末頃だ。

ある朝、いつもと同じように慎重に指を曲げていったところ、これまでならがちがちに固まり痛くて曲げるのに一苦労していたのが、そこまでこわばりが酷くなかったのだ。

おや、もしかして良くなっているのか。

期待して違っていたらショックが大きいと思い、その時は深く考えないようにした。

その後もゆびのこわばりや痛みはあったが、どうやら良くなっていると感じたのは間違いではなかった。間違いなく症状は軽くなっている。そして、2週間もすると痛みはほとんどなくなった。

それと同時に筋肉痛も治った。

身体のどこにも痛みがない。そんな状態になったのは半年ぶりだろうか。

長いこと苦しめられたものだ。

二度とバイクに乗れないだろうとあきらめたくらい痛みにさいなまれていたのに、ちょっと良くなったかもしれないと思ってから2週間ですっかり治ってしまったのだ。

合併症ではなかったということになる。

拘縮してしまったら私の日常生活は随分違うものになっていただろう。

あとは口内炎が残っている。

これが治ればストレスフリーだ。

いつかは治る。そう信じるしかない。

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