2022年11月3週目 火曜日【生理がおかしい】

闘病記【発症~治療】

日に日に動けなくなる。

いつも通りの朝がやってきた。

それはつまり、昨夜あった熱は解熱剤で平熱に戻り、頭痛は鎮痛剤で治まり、何とか仕事にいける状態で朝を迎えたということだ。
体の節々が痛む。インフルエンザの関節痛とは違う痛み。布団からの立ち上がりに苦痛を伴うようになってきた。

それでも膝を立てテーブルに手をつき決死の覚悟で立ち上がる。

「いたたた」

声が漏れる。

このところ私は毎日彼氏さんの家から出勤し、彼氏さんの家に帰り、就寝までの時間を横になって過ごしていた。

日に日に弱っていく私を見て不安を隠しきれない彼氏さん。

「大丈夫?」
と事あるごとに声をかけてくれる。

「うん、大丈夫だよ」
と私。

何の根拠もない’大丈夫’だ。根拠が欲しい、原因が知りたい。

今日こそは耳鼻科に行って血液検査の結果を聞こう。

痛みをこらえながら布団から立ち上がった私はトイレに行った。

生理がきた。

生理は規則正しくやってくる。

ここで先月のことを思い出した。確かいつも以上に量が多かった。シーツを何回か汚してしまった。そして久しくなかった生理痛もあった。

また会社での会話も思い出した。60代の職員が
「閉経前は量がすごく多くて大変だったの。」
そう言っていた。

そうか、私もそろそろその時期なのか。そう思うとやはりこのしんどさは更年期障害なのかもしれない。

などと思いながらトイレから出て身支度を整えた。

今日も彼氏さんに送ってもらう。

昨日視界に急に現れた、三日月型のギラギラ、チカチカしたものはいっこうに消える気配がない。眼鏡をかけるとさらに視界が歪むため車の運転は危なくてできない。

会社の近くで降ろしてもらい、いったん出勤した後すぐに耳鼻科に行った。歩いて数分だ。

今の私にとってなんとか歩ける距離。

昨日の夕方と違い耳鼻科の駐車場には車が一台もない。

もしかしてと思い入口に近づくと

「臨時休診」

の張り紙が貼ってあった。私は呆然となり、そしてうなだれた。受診できないことよりも、歩き損になったことに落胆したのだ。また同じ距離を歩いて帰るのが本当に辛いと思った。

しょうがない、明日また来よう。

会社に戻るとすぐに業務の引継ぎを受けた。引継ぎ期間は1か月半しかない。
途中で頭痛がひどくなり鎮痛剤を飲む。めまいがして床に座り込む。

本当に疲れているんだ。1日が長く感じる。

夕方になると体が熱くなってくるのがわかる。家に帰るとすぐに熱を測る。38度を超えていた。すぐに解熱剤を飲んだ。

そして朝になるとまた平熱に戻るんだ。

この繰り返しは何なのか。飽き飽きしてきたんだが。

横になりながらここ最近の自分を振り返りそう思う。

夕飯は毎日彼氏さんが作ってくれる。食べるときだけ体を起こし、食べたらすぐに寝る。家事は彼氏さんに任せっぱなしだった。悪いと思うが体が動かない。

シャワーだけ浴びて就寝の準備をした。

そうだ、生理が来たんだった。

量もそれほど多くなかったし、先月のような生理痛もなかったため忘れていた。

タンポンで十分だな。私はほとんどナプキンを使ったことがない。何となくすっきりしないからだ。

今日も何とかやり過ごした。明日こそは耳鼻科に行く。そして熱がこのまま下がらなかったらコロナの検査もしておこう。

そんなことを考えながら眠りについた。

生理がなんだかおかしい。

どれくらい寝た後だろうか。私は突然夢から現実に戻された。その瞬間何が起きたかすぐに察知した。

漏れた!

私は眠い目をこすりながら体を起こした。薄暗い部屋の中で布団を確認すると鮮やかな赤い血が付いているのが見えた。

タンポンではダメだったのか。今月も量が多いのかな。

私はひとまずトイレに行きタンポンを換えた。

タンポンはそれほど血を吸収していないように見えた。そしてその血もいつもよりさらっとして色が薄い。変だと思わなかったわけではないが、汚してしまった布団の方が気になった。今月買ったばかりなのだ。

早く汚れを落とさないと…

そう思いトレイを出た。

近くにあったウェットティッシュで汚れを落とす。彼氏さんを起こさないように静かに、でも指先には力を入れこすった。

薄暗い部屋の中で、とりあえず目立たない程度に汚れが落ちたことを確認し、また眠りについた。

それからどれくらい時間が経っただろう。はっと思って目が覚めた。

また漏れた!?

痛い体を起こして確認すると、またも血が付いていた。そこからは同じことの繰り返しだ。私は片方の手で体を支えながら汚れをふき取る。なかなか落ちない。布団についている膝も痛ければ、体を支えている手のあちこちも痛い。

ふと悲しくなった。

私は何をやっているのだろう…

物音で彼氏さんが目を覚ました。何かを必死にやっている私を見て、「大丈夫だよ、寝よう。」と言ってくれた。汚れは完全に落ちていなかったがその言葉に甘えて寝ることにした。

それにしてもどうしてこんなに漏れるんだ。先月も今月も。今までこんなことはなかった。

その疑問は後日解決することになる。そこに病気が潜んでいるのだから。

続きは次回のブログで

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