血液検査の結果を聞きに耳鼻科へ行く。
また朝がやってきた。
いろんな症状がきれいさっぱりなくなっていることを期待する。
体を動かしてみる。そしてその期待が無残に裏切られたことを自覚する。
あちらこちらで関節が悲鳴を上げている。
立ち上がろうとするが体を支える手も痛い。膝も痛い。
生理の血も布団にまだ付いたままだ。
視界はチカチカして見にくく、頭痛もする。鎮痛剤が切れてきたのだろう。
やはりいつもの朝だった。
そして今日も彼氏さんに会社まで送ってもらう。
そういえば彼氏さんちにずっと居候している。2週間は自宅に帰っていない。
大学を出て一人暮らしを始め、それ以来ずっと一人だ。誰かと寝食を共にしたことがない。
もちろんその時々で彼氏はいたが、同棲を考えたことはなかったし、本気で結婚したいと思ったこともない。
だから誰かと毎日同じ場所に帰り、夕食を共にして朝を迎えることが自分には向いていないのだと思っていた。
それが体調が悪いとはいえ、同棲のようなことを2週間も続けている。
意外とできるものだ。心地よいとさえ思う。
ただ、家事ができないことが申し訳ない。今はしょうがないと割り切るしかない。なにせ立っていられないのである。
洗濯を干す間のわずか数分も立っていられない。椅子に腰かけて干さないといけないのだ。食事を作るのは到底無理な話だ。
ひとまずこの体調不良の原因を探らないと。今日こそは耳鼻科に行って血液検査の結果を聞く。それから次のことを考えよう。
朝出勤すると引継ぎ業務もそこそこに私は耳鼻科に行った。
朝起きたときより多少体調が良かった。
昨日は耳鼻科まで歩くのが精一杯という感じだったが今日はそれほどでもなかった。
もしや回復してきたのでは、と期待が膨らむ。
昨日が臨時休診だったせいか耳鼻科は朝から混んでいた。診察を待つ間「首の腫れ」について検索していた。
先週のある朝突如現れたこの首の腫れ。あの日から急激に体調が悪化した。発熱、頭痛、関節痛、めまい、倦怠感、もろもろだ。
すべてはこいつのせいだ。「筋肉」って結局どういうことなんだ、などと考えていると名前を呼ばれた。診察室に入る。
「どうですか。首の腫れは。」
今日も白髪先生だ。
この病院にはもう一人先生がいる。おそらく白髪先生の息子だろう。
「変わらないです。」
「血液検査の結果ですが…」
ドキッとした。
「白血球がちょっと高いかな。」
そう言いながら紙切れを渡してきた。検査結果だ。私は特にそれを見ることはなかった。
白髪先生も白血球が高いことをそれほど重要視していない様子だったからだ。
検査結果についてはそれで終わった。
「先生、痛み止めがなくなりそうなので…」
「わかりました。出しておきますね」
頭痛がひどく鎮痛剤の減りが早かった。
朝より幾分体調が良く、血液検査についても特に問題なさそうだったため、私は鎮痛剤だけ処方してもらい病院を後にした。
「白血球が高い」という先生の言葉も診察室を出た時にはもう頭の片隅にもなかった。
久しぶりに夕飯を作る。
その後1日仕事をし彼氏さんのお迎えで帰宅。
「今日は私がご飯作るね。」
笑顔の私。久しぶりに見た笑顔だったのだろう。彼氏さんはびっくりしながらも、「ちょっと元気になったね。良かった!」と嬉しさを隠しきれない様子だった。
「ビールも飲めそう。」
アルコール依存症に近い私がまったくお酒を飲んでいなかったのだ。それくらい体調が悪かった。久しぶりにビールを飲みたいと思えた。このまま体調も戻るのではないかと期待した。
この日は本当に体調が良かった。ご飯を作っている間立っていられたのはすごい。熱も出なかった。
今度こそ明日目が覚めたら、今日よりも体調が良くなっているはずだ。そう思いながらベッドに入った。
だが現実はそんなに都合よく事は運ばない。
続きは次回のブログで
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