2023年2月 地固め療法・2クール目【2回目のメトトレキサートは半量で②】

闘病記【発症~治療】

2回目は順調にメトトレキサートが抜ける

今回は地固め療法の2クール目で、メトトレキサートという種類の抗がん剤を2回に分けて投与する。

1回目は通常の量のメトトレキサートが投与されたのだが、体内からの抜けが悪かった。通常3日あれば規定値を下回り、尿検査は終了。数日後には点滴もなくなるはずだった。それが、2日も余分にかかった。おかげで点滴から解放されたのはわずか2日。すぐに2回目の投与のため、点滴につながれた。

2回目のメトトレキサートは量を半分にして投与された。抜けが悪いと臓器にダメージを与える可能性があるからだ。

結果は歴然としていた。1回目は投与2日後でメトトレキサートの血中濃度は1. 21、4日後でも0.13と規定値である0.1を超えていたのに対し、2回目は投与2日後には0.61と0.1を下回った。おかげで面倒な尿検査も予定通り終了した。

1回目の時に現れた副作用は口内炎と喉の痛みだった。これに関しては量を半分にした2回目でも多少あった。だが、アズノールうがい液で1日4回(毎食後と就寝前)うがいをすることで、悪化せず数日で治った。

2クール目は24日間の入院

入院するとまず気になるのが、いつ退院できるか、ということだ。1クール目は23日間だった。予定より退院が数日延びた。これは退院前に40℃を超える熱が続いたためだ。何かに感染した様子はなく、白血球が回復する際の反応ではないか、ということだった。

今回も熱が出るのだろうか。

それだけは避けたい。退院が延びる。

今回は2回も抗がん剤を投与するのだ。ただでさえ1か月は入院だと言われて憂鬱なのに、熱が出て退院が延びたらショックが大き過ぎる。

戦々恐々としていたが、それは取り越し苦労に終わった。

1回目の投与後、一番低かった時で白血球の値は4,060と基準値内だった。だからかはわからないが、熱が出ることはなかった。そして体調が安定したまま2回目の投与。2回目の最低値も3,060とわずかに下限値を下回った程度で、2日後には4,410まで回復した。熱も出ていない。

「そろそろ退院できそうです。今週末はどうですか。」

3週目のある朝、医師がいつものように病室にやってきて、血液検査の結果を説明しながらそう聞いてきた。

思ったより早い。私ははやる気持ちを抑えながら、「土曜日でお願いします。」と答えた。土曜日なら彼氏さんにお迎えを頼める。

1か月は入院しないといけないと覚悟していたのだ。それが24日間に短縮された。この差は大きい。

「退院前日にマルクと髄注だけやりますね。」

と付け加えると医師は病室から出て行った。

そうだ、マルクは避けて通れない。退院前の儀式のようなものだ。退院が決まったのはうれしかったが、その前に恐ろしいマルクがあるかと思うと気が滅入る。

今回は痛いのか、痛くないのか。

入院時1回目投与
4日後
2回目投与
5日後
退院前日基準値
白血球10,4204,0603,0604,4103,300~8,600
赤血球272万267万265万263万386万~492万
血小板99万57万6,00019万3,00017万2,00015万8,000~34万8,000
AST2366191813~30
ALT338529257~23
LD352259179173124~222
尿素窒素11.014.814.014.38~20
血清クレアチニン0.750.780.800.820.46~0.79
入院初日、大幅に増加していた白血球と血小板の値はすぐに落ちついた。白血球の値はメトトレキサート投与後もそれほど下がらず、血球の値が安定するのが早かった。

入院中の過ごし方

入院は今回で3回目だ。

体調が最悪の状態で入院した1回目。発熱が続き、食欲もない。寝たきりが続き筋力も体力も落ちた。リハビリや電話をしに行く時以外は寝て過ごした。

2回目の入院。前半は体調が良かったが、後半は40℃の高熱が続き、1週間ほど寝たきりになった。ぼーっと天井を見たり、うたた寝をしたりしているうちに1日が過ぎた。

今回の入院は今までで一番体調がいい。全身の関節の痛みは良くなったり悪くなったりしていたが、起きていることに苦痛は感じなかった。

「なるべく起きていた方がいいですよ。そういう人のほうが元気になるのも早いですよ。」

ある日、リハビリの先生からそう言われた。

体調はいいのに1日の大半を寝て過ごしていた私はその言葉にドキッとした。読書をするときも横になっていたのだ。堕落しきっている。

「座っているだけでも体力はつくからね。」

その日から日中はなるべく横にならないようにした。座って読書をしたり、リハビリの時間以外も廊下を歩いたりした。思った以上に体調は良かった。日中、全く横にならなくても大丈夫な時もある。

よし、あとは退院を待つだけだ。

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