day25 食べられるものが増える
体調はまずまずといったところだ。
朝からがっつり食べるのはさすがに無理。差し入れのプリンだけにした。甘くてやわらかい物は間違いない。
食べた後はソファでテレビを見ることにした。寝てばかりいては体力がつかない。1,2時間座っていられただろうか。私は時折外の景色を眺めた。あと少しであちら側にいける。そして自由に動き回れるのだ。
退院後の生活を想像すると顔がにやけてくる。仮退院ではないのだ。今後はリミットを気にせず彼と毎日一緒に過ごすことができる。
前向きな気持ちは身体面に良い影響をもたらすのかもしれない。
お昼はたまごサンドを完食することができた。これには驚いた。以前ハムサンドを食べた時は味もおかしく、ほんのわずかでギブアップした。その記憶が強く残っていたため、今回もダメかもしれないとあまり期待していなかったのだ。
食べても気持ち悪くならなかった。そして、午後からのリハビリも倦怠感を感じず廊下を2周歩くことができた。歩行器は使ったが、これまでのように全体重を歩行器に預けるような歩き方ではない。上腕を軽く歩行器に乗せ、背筋をしっかり伸ばし、足の裏で地面を捉えながら歩くことができた。これならもう歩行器は要らないだろう。
ようやく歯車がかみ合い、ゆっくりと回り出したのだ。
明日は今日よりいい日になる。
day26 歯車が回り出す
久しぶりに熟睡したと感じた。
入院中は眠剤を飲むことが多い。寝つきが悪いこともあれば、夜中に何度も目が覚めることもある。日中も寝てばかりいるから夜寝られないのは当然だ。それにいつ頃からか体のあちこちが痒くて目が覚めることが多くなった。GVHDの症状だろうか。
昨日は日中起きている時間が長かったので、身体が程よく疲れたのだろう。痒みで目が覚めることも少なく、4,5時間はしっかり寝られた。
メリハリが大事だな。
今日もなるべく起きていよう。
痒みに関しては、看護師に相談して、飲み薬とかゆみ止めの軟膏を処方してもらった。
熟睡できて身体も元気だったのだろう。リハビリでは歩行器を使わず、点滴スタンドを片手に病棟を3周、つまり300メートル歩くことができた。昨日よりさらに歩行距離を伸ばせた。
調子が良い。
食欲も感化されたのか、お昼はミニうどん、夜はいなり寿司とゆで卵を食べることができた。しかも美味しいと感じることもできたのだ。移植してすぐに食べた冷やしたぬき蕎麦はそのすべてがまずかった。今回いなり寿司の味が正常だったということは、味覚がだいぶ戻ってきたということになる。
味覚障害が治ればもっといろいろな物が食べられる。そしたら栄養状態も良くなり身体がさらに元気になる。
何が突破口だったかはわからない。何も変わらないと思っていた時期に実は細胞レベルで傷ついた身体が修復されていたのかもしれない。そしてある日、目に見えて変化を感じることができるようになったのだ。
歯車がかみ合ったとはまさにこのことだ。
このままいけば本当にあと少しで退院できるのではないか。
day27 すべてが順調
かゆみ止めの薬が効いたのだろう。夜間も痒みはなくよく眠れた。おかげで今日も体調がよい。
リハビリでは点滴スタンドなしで300メートル歩くことができた。自分の脚だけでふらつくことなく歩けたのは大きな進歩だ。
全てが順調だ。
食事もまだまだ量は少ないが、1日3食何かしら食べることできている。
そろそろ退院日の話が出ないかな。
そう期待せざるを得ないくらい調子がよかった。
※血液検査の結果※
| day26 | day27 | 基準値 |
白血球 | 1,800 | 2,150 | 3,300~8,600 |
赤血球 | 229万 | 270万 | 386万~492万 |
ヘモグロビン | 6.9 | 8.1 | 11.6~14.8 |
血小板 | 3万1,000 | 2万6,000 | 15万8,000~34万8,000 |
網赤血球 | 0.85 | 1.2 | 0.3~1.1% |
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