2023年8月 退院後の生活【再入院・外泊そして退院へ】

闘病記【退院後の生活】

一泊二日の外泊

ステロイドという特効薬のおかげで私の身体はみるみる蘇った。

そして入院から1週間もすると、退院できるのではないかというくらい動けるようになった。

そこで主治医に退院の目安を聞いてみた。

「一度外泊してみましょう。」

というのが回答だった。これにはちょっと驚いた。これまでそんな慎重なことを言われたことがなかったからだ。骨髄移植が終わった後、まだ食べられないうちに退院の話が出たし、実際、予定よりかなり早く退院できた。あの時より今のほうが元気だ。私の中で不安要素は全くない。今回は退院しても動けるし食べれる自信がある。

だが、医師としてはまた病院に舞い戻ってくることを心配したのだろう。外泊して自宅での生活に不都合がないか確認しておきたいのだ。

ちょっと落胆したが、医師にそう言われたらそれに従うしかない。

まあ、いい。外泊して問題がなければすぐ退院できるだろう。

気を取り直して外泊日をその場で決めた。

すぐに彼氏さんに連絡をしたが、彼氏さんも外泊は不要なのではないかと言っていた。そりゃそうだ、入院前とは大違いの元気な私を目の当たりにしているのだ。外泊などというまどろっこしいことをせず、さっさと退院すればいいのに、と。

私も同感です。

でも医師がそう言うのだからしょうがないと彼に言い聞かせ、夕飯は何を食べようかと2人で考えた。久しぶりに食べ物の会話をした気がした。食べられない時はテレビでグルメ番組が流れるだけで気分が落ち込んだものだ。元気な時は全く気が付かなかったが、テレビはグルメ番組であふれている。

外泊は彼氏さんがお休みの日に設定したため、午前中に迎えに来てもらった。病院の玄関から外に出るとすぐにその暑さに驚いた。お盆は過ぎても灼熱の太陽の強い日差しが容赦なく降り注いでいる。この暑さのせいで体調が悪化するのではないかと思うほどだ。

すぐに車に乗り込み、アパートに直行した。今日は涼しい部屋の中でまったり過ごそう。家の中の生活に問題がなければいいのだから。

10日ぶりのシャバは気持ちいい。体調が良いとなおさらそう感じる。

部屋の中の移動はなんなくできた。といっても歩く距離は数メートルしかない。彼氏さんが1人暮らし用に借りたワンルームのアパートだ。退院してもまったく問題ないだろう。

そして食事。こちらも問題ない。美味しく食べられる。

当たり前の生活が戻っていた。

こんなに元気なんだ。このまま退院しても何ら問題ない。

そう思えるくらい私の体は激変していた。

もちろん、勝手に退院することはできない。次の日にはしょうがなく病院に戻った。そしてすぐに退院日を決めた。2日後だ。

今回の入院は16日間だった。

今度こそ、これが最後の入院だ。そう思いながら退院した。

ただ、まだ終わったわけではない。骨髄移植が終わって100日が経過すると今度は慢性GVHDのリスクが付いて回る。

骨髄移植はそれが成功して終わりというわけではない。

焦らずゆっくり行こう。

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