傷病手当金とは
ひとたび白血病と診断されたら当分の間働けないと思った方がよい。
その期間は個人差がある。骨髄移植をするかにもよって変わってくるが、少なくとも半年~9か月程度は抗がん剤治療のため入退院を繰り返すことになる。副作用が少ないと仕事もできそうだと思うが、一時退院の期間は1週間~2週間程度であることが多いため、出勤して働くというのは実際には難しい。
私の場合は骨髄移植をする前提で治療が始まり、この時点で「長い入院になる」と医師から告げられていたため、仕事復帰のことはまったく考えなかった。とにかく治療に専念することとした。
といってもお金のことは心配だ。医療費は高額療養費制度である程度抑えられるが、税金、保険料などの支払い、アパート代などの固定費が毎月かかってくる。なのに入院した途端、収入はゼロ。「経済的不安」病気一つしたことがない私にとってこれも初めての経験だった。
そんな不安を少しでも解消してくれるのが「傷病手当金」という制度だ。
会社の健康保険に加入していれば申請することができる。逆に言えば、国民健康保険の方は対象外になる。自治体が任意で支給することができるようだが、それをやっている自治体は今のところないようだ。
私は11月の途中から休職したが、11月は有給休暇で処理してもらい、12月から傷病手当金を申請することにした。
傷病手当金を申請できる条件
申請するにはいくつかの条件があるので要注意。
☑ 業務外の病気やケガで療養中であること。
業務上や通勤途中での病気、ケガは労災の対象になるからです。
☑ 仕事ができない状態であること。
医師の意見書(所定の様式あり)の提出が必要です。
☑ 4日以上仕事を休んでいること。
仕事を3日連続して休み、4日目から支給対象となります。この休みには公休日も含まれます。
☑ 給料の支払いがないこと。
給与が一部支払われている場合は減額されます。ちなみに賞与は減額の対象になりません。
以上の条件がクリアできれば申請でき、月給の3分の2が支給される。
傷病手当金申請について
申請は毎月でもよいし、3か月分まとめて申請することもできる。私は3か月ごとに申請している。医師に書いてもらう意見書の作成料は病院によってまちまちで、私の入院している病院では1通1500円だ。さらに申請してから手元に届くまで2,3週間かかる。毎月申請するのが面倒くさいと感じ、まとめて申請することにした。
というわけで私は3か月に1回、会社に支給申請書(被保険者記入用及び療養担当者記入用)を郵送している。その後、会社が残りの申請書「事業主記入用」を作成して申請をしてくれる。申請から実際の振り込みまでは意外と早い。私が加入しているのは全国健康保険協会、いわゆる「協会けんぽ」というところだが、振り込みまで2週間程度だろうか。書面でも通知が来るので安心だ。
この傷病手当金、途中で退職した場合でも引き続き支給を受けることができる。退職後は自分で手続きをすることになるが、用意する書類は事業主記入用以外の「被保険者記入用」と「療養担当者記入用」だけなので、誰でも簡単にできる。この時、被保険者証の番号を記入しないといけないので、保険証を返却する際は番号を控えておくことを忘れずに。
支給される期間は最大で1年6か月。給料の3分の2なので十分とは言えないが、それでもとてもありがたい制度である。最大限活用し、安心して治療に専念できるようにしよう。
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