2023年5月 骨髄移植・入院3日目【胃カメラ】

闘病記【骨髄移植】

鎮静剤であっという間に

今日の予定は胃カメラだ。

胃カメラをするのは人生で2回目。1回目は20代の頃だった。胃カメラを口から突っ込まれ、涙目になりながら必死に耐えた記憶がある。

今回はそれほど恐れていない。なぜなら鎮静剤を使ってもらえるからだ。

眠っている間に終わるに違いない。

「○○さん、胃カメラに呼ばれましたよ。」

看護助手が車いすを持って呼びに来た。鎮静剤を使うということで、帰りのことを考えて行きも車いすでの移動となった。

それにしても、看護助手には頭が上がらない。この人たちがいなかったら病棟はどうなるのだろうと思う。ベッド周りの掃除はもちろん、受診の送迎、買い物代行もしてくれる。移動が大変な患者さんのためにパンを温めに行ってくれたり、洗濯物を取りに行ってくれたりと本当によく動いてくれる。しかも嫌な顔一つしない。掃除の最中はたわいもない話で盛り上がることがある。患者は退屈だ。短い時間でも話し相手がいるというのは嬉しい。

1階の処置室に行く道中も話に花が咲いた。読書が趣味だというその看護助手さんとはいつも本の話をする。お勧めの本を聞いたり、私が最近読んだ村上春樹の新作について話をしたりしているうちに処置室に到着した。

ベッドに移ると看護助手は車いすだけ残して病棟へ戻っていった。

さっそく準備にとりかかる看護師。私はカップに入ったゼリー状の麻酔薬を渡され、それを口に含んだ。もちろん飲んではいけない。

そして次は鎮静剤だ。

と、そこまでは記憶にあるのだが、あっという間に眠りにつき、気付いたら病室のベッドの上にいた。

全て終わっていた。

時間はそれほど経っていなかった。結果は問題なかったと後から聞いた。どうやら帰りはストレッチャーで運ばれてきたらしい。ただ、ベッドに移動するときは「大丈夫です。自分で移れます。」と言って身体を起こし、自分でベッドに移動したとのことだ。全く記憶がない。

それにしても全く苦痛がなく胃カメラを受けられるなんて、時代が変わったものだ。

個室最高!

午後からはゆっくりできた。まだ病室の外に出られる。私は廊下を歩いたり、デイルームから外を眺めたりと自由を満喫した。あと少しでクリーンルームに監禁だ。部屋から出られない生活がしばらく続く。ストレスだろうな。

一つだけラッキーなことがあった。二人部屋から個室のクリーンルームに移動したのだが、その部屋が当たりだった。かなり広いのだ。他の部屋の2倍はある。そして窓が大きくて見晴らしも良い。カーテンを開けていると日差しが強く全開にできないくらいだ。日焼け止めクリームも塗っている。これなら窮屈さを感じず、多少はストレスも軽減されるだろう。

病室からの見晴らし。窓が大きくて最高。

今は体調がとても良い。歩くのも苦にならない。食欲もある。

それでもやはり移植後は副作用や合併症に悩まされるのだろうか。

みんなそれを乗り越えて退院しているのだ。きっと大丈夫。

そういえば、入院中に知り合った患者さん、おとつい自家移植を受けたんだ。

去年の11月、同時期に入院してきたその人といつの間にか仲良くなり、連絡先も交換した。病名は違うが、入院サイクルも同じで、移植も同時期にやることになり、情報交換したりして励まし合っている。その人が一足先に移植を受けたのだが、今のところ何も連絡がない。

隣の部屋にいるはずだが、当然様子をうかがうことはできない。看護師に聞くわけにもいかない。

辛いのだろうか。

未知の世界だ。どんな反応が出るのか全く想像できない。

インターネットは情報で溢れている。調べればいろいろ分かるのだろう。だが、私は敢えて見ないようにしている。情報過多で不安が強くなるのがおちだ。

まずは目の前のことをこなそう。

明日は外科受診だ。

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