外科とは肛門の検査です
入院4日目。今日は外科受診と髄注がある。
朝一で外科に呼ばれた。胃カメラのように鎮静剤を使うわけではないため、歩いて1階に下りて行った。
外科で何を検査するのだろう。
あまり馴染みのない科だ。外科と聞くと手術というイメージが強い。もちろん手術はしないわけで、何を調べるのだろうと頭を傾げながら受付を済ませた。
名前を呼ばれ診察室に入る。そしてすぐに検査内容が判明した。
肛門だ。
肛門かー、とうなだれた。相手は何も気にしていないだろうが、痔でもないのに他人に肛門を見せるのは恥ずかしい。
とはいえ、恥ずかしがっていると知られるのも恥ずかしい。私は無表情でズボンと下着を脱ぎ、診察台に横たわった。
その後は事務的に検査が行われた。
指を突っ込まれ、次に何か筒のようなものを突っ込まれた。
そして、一言。
「きれいです。」
そうですか。きれいですか。肛門がきれいだと褒められるのは小恥ずかしい。
痔や痔ろうがあると下痢になったときにそこから感染する恐れがあるという。そういうわけでこの検査が必要だったということを後から知った。
人間ドックだと思えばいい。ここ15年ほど遠ざかっていた。全身をチェックしてもらえるというのはありがたいことだ。
病室での面会
今回の入院前にコロナが5類になり、面会制限が緩和された。内縁の夫として申告している彼氏さんも面会ができる。移植前の期間限定ではあるが、顔を見て話ができるのは嬉しい。
この日は午後から彼氏さんが面会に来てくれた。個室に移った私は病室内でゆっくりと会うことができる。
病気になった私を全力でサポートしてくれる彼。毎日電話をくれるし、洗濯もしてくれる。食べたいものがあればすぐに差し入れてくれる。彼からしたら当たり前のことをしているだけかもしれない。でも当たり前ではない。私は幸せ者だ。
面会時間は15分と限られている。あっという間に過ぎた。また来るね、と言って彼は病室を後にした。
寂しいという感情はなかった。会えない時もつながっていると感じられるからだ。
彼が帰った後、看護師が入ってきた。髄注をするとのことだ。マルクに次いで嫌な処置だ。髄注の後は2時間程度仰向けで寝ていなければならない。それも嫌な理由だ。
医師から髄注は今回が最後ということを聞いて気持ちが軽くなった。骨髄移植の後はやらないそうだ。この半年、入院のたびに髄注とマルクをやってきたが、ようやく終わりが見えてきた。とはいえ、これからが一番の山だが。
今日が終わる。
また一歩移植に近づいた。
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