放射線が一番辛い??
連日の検査が終わり、今日から3日間はフリータイムとなる。面会もあと2日許可されているため、午後から彼氏さんがスタバを持って面会に来てくれることになっている。
午前、主治医が病室に顔を出してくれた。体調が悪くなくても1日1回は来て声をかけてくれる。今回は骨髄移植という大きなイベントが控えていることもあり、こういう気遣いは本当に支えになる。
「とにかく放射線をがんばってください。」
と言われた。
ということは、放射線が一番辛いのだろうか。
呑気に構えていた私だったがその一言で背筋がピン、となった。
「副作用は千差万別なんですが、○○さんはなんとなく大丈夫な気がします。」
あくまで感覚的なものだと前置きし、医師はそのように付け加えた。
そんなのわかるんだろうか。
疑心暗鬼になる私。それでもこの道20年のベテラン医師だ。膨大な臨床データが頭の中に入っているはず。ということは、その感覚というのもある程度経験に基づいたものに違いない。
私は医師の言うことを信じたいと思った。
生着までは平均15〜16日かかるらしい。もちろんそれまでは個室対応だ。これまで大部屋だった私からしたら少し寂しい気がした。人の気配を全く感じられないクリーンルームに1人いるのだ。個室は気楽だが長引くと気分が滅入るかもしれない。
医師が退室してしばらくするとスマホからラインの音が鳴った。私より一足先に自家移植をした知人からだ。隣の部屋にいる。移植後初めて連絡がきた。
下痢がひどい。口内炎がやばい。
そんな内容だった。口の中の写真付きだ。舌の横側が白くただれている。相当痛いに違いない。下痢もトイレに行く前に漏れてしまうくらいだという。
私もこうなるのか。
いや、私は軽いはずだ。彼女の場合は自家移植。おそらく反応も違うだろう。
医師の言葉を信じたい。
スタバのコーヒー
午後に彼氏さんがスタバを持って面会に来てくれた。
移植後はどんな反応が出るかわからない。味覚障害が出るとも聞いた。今のうちだと思い、私はスタバのアフォガードフラペチーノを買ってきてほしいと依頼したのだ。
入院していなければ好きな時に好きなものを口にすることができる。今は違う。食べたいものがあっても買いに行くことはできない。
私は彼と雑談しながらアフォガードフラペチーノを堪能した。
美味しい。
差し入れしてもらった物は妙においしく感じる。
面会最終日
翌日。この日で面会はいったん禁止となる。移植に向けての準備が始まるからだ。免疫がゼロになり、生着するまでは感染に十分注意しなければならない。
面会最終日ということもあり、両親と彼氏さんが病室に顔を出してくれた。特別なことはない。いつも通りのたわいもない会話を楽しんだ。
そして15分という面会時間はあっという間に終わる。
「じゃあ、そろそろ行くね」とみんな帰っていった。
私は笑顔で手を振った。
次はいつ会えるだろうか。
孤独な闘いが始まる。
明日からついに始まる
フリー最終日。
明日からまた忙しい。
今日はゆっくり過ごそう。
そう思い、日中は読書をしたり病棟内を歩いたりして過ごした。ゆっくりと時間が過ぎていく。
このまま静かに今日が終わっていくと思っていた。
甘かった。
夕方になり胃のあたりに違和感を感じ始めたのだ。
看護師に報告したが様子見となり、私は夕飯を済ませると早々に横になって休んだ。
だが、夜になってもその違和感は治まらなかった。いや、それどころか悪化していった。
苦痛に耐え、どうしようかと思っているうちに朝が来てしまった。
寝不足だ。
こうして3日間の中休みは終わった。
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