2023年6月 骨髄移植・day10~day12【倦怠感と口内炎】

闘病記【骨髄移植】

移植後10日から12日 ほぼ寝たきりの毎日

移植が終わってから横になっていることが多い。ベッドから離れるのはシャワーやトイレ、歯磨きといった必要最低限の時だけだ。

体調が悪いというわけではない。高かった血圧も24時間の持続点滴で降圧剤を入れ始めてから130台で安定している。熱も一度だけ37度台後半まで上がったが一晩で下がりその後は平熱だ。

放射線の副作用として始まった下痢も徐々に良くなっている。

ではなぜこんな寝たきりのような状態なのか。

とにかく立っているのがしんどい。

シャワーを例に例えると、まずソファに移動し、座りながら服を脱ぐ。そして3メートル先にあるシャワールームまで行き、中に入るとすぐにシャワーチェアに座る。最後まで椅子から立ち上がることはない。身体を拭くときもだ。意を決して立ち上がると一目散にベッドまで行く。服を着るのはベッド上だ。立っている時間は合計で10秒もない。

歯磨きも同じだ。洗面台の前に椅子を置き、磨いている時も口を漱ぐ時も座ったまま行う。

立っていられない。

赤血球の値は下限値を下回っているものの輸血をするほど悪いわけではない。よって貧血が原因というわけでもなさそうだ。

どうしてこんなにしんどいのだろう。

リハビリの先生は毎日来てくれるが、立っていられないため通常の訓練は何もできない。だいたいが手足のマッサージだけで終わる。ベッドをギャッチアップして上半身を起こしておくだけでも違うと言われたが、それもしんどい。

食べていないからだろうか。

給食を欠食にして2週間。その間まともに食事をしていない。食欲がないうえに、口内炎がひどく、口に物を入れるのが辛い。唯一食べられていたカットフルーツやゼリーも痛くて食べられなくなった。栄養を点滴に頼り、生き長らえている。

口内炎が治れば食べられるのか。

何か突破口はないものかと考えをめぐらす。

もちろん、結論は出ない。

前にも後ろにも行けず、私はただこの瞬間に留まっている。倦怠感や痛みに耐えながら。

下痢と高血圧が治まる

辛い毎日が続く。口内炎は良くなる気配がない。脱毛もひどく、起きるたびに枕にはびっしりと抜けた髪の毛が落ちている。

そんな中でも良い変化があった。

骨髄移植で180台まで上がった血圧は降圧剤により徐々に下がり、130台で安定していたため、12日目に持続点滴が中止になった。輸液ポンプが1つ減っただけで随分と身軽になった感じがする。

もう一つ嬉しかったのは下痢が治ったことだ。放射線照射後から便が緩くなり、就寝中に何度か漏らしてしまった。紙パンツを使うことも考えたが、さすがに抵抗があり、生理用のナプキンを当てていた。それが2週間経ってようやく落ち着き、安心して寝られるようになった。

後は口内炎と倦怠感だ。

この二つはなかなか手強そうだ。

明日は今日より良くなっているといいのだが。

※血液検査の結果※

day10day11day12基準値
白血球1020203,300~8,600
赤血球276万268万268万386万~492万
ヘモグロビン8.38.08.011.6~14.8
血小板1万7,0004万2万1,00015万8,000~34万8,000
白血球と血小板は低値で横ばい。

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