自分が白血病かもなんて普通はそんなこと疑いもしない。
私もそうだった・・・
いつかは死ぬけどそれは遠い未来の話だ。
健康にも気を使っている。これまで病気らしい病気になったことはない。
だからきっとこの先も病気にならない。
ついに「運命」の時が来る。
朝目が覚めて、もしかしたら体調が良くなっているのではないかと、この期に及んでそんな淡い期待を抱いた。
もちろん一瞬にしてその期待は打ち砕かれ、現実を突きつけられた。動けない・・・
「病院へ行こう!!」
昨夜彼氏さんがそう言った。それは提案というより懇願に近かった(と思う)。
日に日に弱っていく姿を一番近くで見ていたのだ。
もう耐えられなかったのだろう。私が逆の立場だったら同じように思うだろう。「お願いだから病院に行って」と。
彼氏さんの運転でいつもの耳鼻科に行った。
ほどなくして名前を呼ばれ診察室に入る。
今日は白髪先生ではなく息子と思われる若い方の先生だった。
「どうですか。首の腫れは。」
「首の腫れはひかないし、夕方になると熱が出るんです。」
私はここ最近の状態を説明した。耳がぼーーんとなって自分の声がこもったように聞こえることも伝えた。
そこで先生は耳の中を検査する。
「ちょっと水が溜まってますね。」
次に鼻の中も検査された。先生はパソコンの画面も見ながら何か考えている様子だ。
「最近、あざとかできやすいですか。」
「あざ?」
唐突に思いがけないことを言われると頭が空っぽになる。そして必死に思い起こす。
「そういえば、知らないうちにあざができているような…」
確かにそうだ。特に意識していなかったが、改めて思い起こすと、ぶつけた記憶がないのにあざができていることがあった。実際今も脚に何ヵ所かあざがある。
「血液検査で白血球の値も高いし・・・」
先生の顔が難しい。
「鼻の中も炎症しているし、首の腫れも引かないから・・・」
「はい・・・」
「血液の病気かもしれません。」
血液の病気??そう言われてもピンとこない。
「紹介状を書くので大きい病院に行ってください。今日にでも、早い方がいいでしょう。希望の病院はありますか。」
矢継ぎ早に言われ理解が追いつかない私。
「どこの病院でもいいです。」
「では〇〇病院でいいですか。この後すぐに行けますか。」
「は、はい。」
なにやら大変なことになってきた?
「では、〇〇病院に連絡を入れます。待合室で待っていて下さい。」
「よろしくお願いします。」
そう言って診察室を後にした。
救急外来受診
まだどこか他人事のような感じだ。
紹介状ができあがるのを待ち、その間に車で待っている彼氏さんに連絡をした。
「血液の病気かもしれない。」
おそらく深刻な状態だ。月曜日を待たず、わざわざ救急外来を勧められたのだから。それでも私も彼氏さんも、「なんともないといいね。」と悠長に構えていた。願望だったのかもしれない。
その後紹介状を持ち、車で10分ほどの総合病院へ向かった。
土曜日は救急外来になる。平日と違いわずかな声も響き渡るくらいひっそりと静まり返っていた。
私は受付で紹介状を渡し順番を待った。
そしてこの後私は厳しい現実を突き付けられることになる。
続きは次回のブログで。
コメント