2022年11月下旬 寛解導入療法【仲間との絆】

闘病記【発症~治療】

白血病になって仲間の大切さを知る。

私は人付き合いが得意な方ではないと思う。人見知りはしない。集団行動で輪を乱すこともない。

では何が得意ではないか。

人との関係を長く維持することができないのだ。

職場が変われば前の職場の人にはまず自分から連絡しない。どんなに仲が良かったにせよ。学生時代の友人ともいっさい連絡を取っていない。というか今では連絡先すらわからなくなってしまった。

そんな私が白血病になったおかげで仲間の大切さを知った。

私は一人でも生きていけると勘違いしていたようだ。

それはこれまで大きな病気もせず健康体だったからかもしれない。そしてバイク、登山、キャンプと1人でできる趣味もある。困ったことがあってもたいてい自分で何とかしてきた。

だが、白血病になって変わった。家族、彼氏さん、同僚、友人(数名)、仲間。私の周りの沢山の人が、私のためにいろいろなことをしてくる。何の見返りも期待せず、ただ私のために。

私の相棒「ハーレーダビッドソン」

11月下旬

私は最低限の荷物を持って入院した。アパートはそのまま、次いつ乗れるかわからない車もそのまま。

そして愛してやまない私の相棒、「ハーレーダビッドソン スポーツスター1200」もそのままだ。

スポーツスター1200

どうすることもできずひとまず置いていった。さらにもう一台、通勤の足としても使っていた250㏄のバイク「Ninja250R」。こちらは11月初めに彼氏さんの家に乗って行き、そのまま置きっぱなしになっている。

Ninja250R

入院して体調はすこぶる悪かったが、バイクのことが気になってしょうがない。バイクは乗ってなんぼだ。朦朧とする意識の中でも駐輪場に放置されたかわいそうな2台のバイクのことを案じていた。

すると、入院して4日目にバイク仲間から連絡が来た。仲間といっても知り合ってまだ2年。その間一緒に走ったのは10数回程度で、最後に会ったのは確か1年以上前だ。

私はツーリングのグループに入っていた。ハーレー専門のグループと、車種を問わないグループの二つだ。当分バイクには乗れないと思い、入院する前に「体調不良」ということでグループラインを退会したのだが、そこの仲間の一人がメッセージを見て個人的に連絡をくれたのだ。

私は彼に「白血病」であることを伝えた。信用できると思ったからだ。そしたらなんと、入院中バイクを預かろうかと申し出てくれたのだ。しかも2台とも。

その彼もバイクを2台所有している。合計4台になる。それに預かるといっても、ただ置いておくだけではない。洗車やオイル交換などのメンテナンスが必要だ。そんな面倒くさいことを自分から申し出てくれる人がいるなんて思いもよらなかった。すごく仲が良いならまだしも、私なんて顔見知りに毛が生えた程度ではないか。

一瞬迷った。申し訳ない、という気持ちが強かった。

それでもその好意に甘えることにした。断る理由など思いつかない。縁を切って切って生きてきたと思っていたが、その縁に救われた。感謝してもしきれない。

連絡があってから数日後にハーレーを取りに行ってくれた。私は入院中なので両親に頼んで鍵を渡してもらった。そしてまた数日後、彼氏さんの家までもう一台のバイクを取りに行ってくれた。こうして私の愛車はバイク用に建てたというガレージに保管されたのだ。そして時々洗車をしてくれたりエンジンをかけたりしてくれている。

仲間とはいいものだ。病気になって初めて気づいた。

ハーレーのツーリング倶楽部は退会していない。一緒に走れる日が来るのを待っている、と言ってくれたからだ。いつ乗れるようになるか分からない。でも待ってくれている仲間がいる。

もう一度バイクに乗ることを目標に頑張ろう。

前進あるのみだ。

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