2022年12月末 一時退院【この頭痛は一体!?】

闘病記【発症~治療】

頭痛に悩まされる。

12月27日に退院した私は久しぶりの娑婆に浮かれていた。

退院といっても一時的なもので、年明けにはまた入院だ。1月5日の外来受診で次の入院日を決めることになっている。おそらく入院は週明けの9日以降になるだろう。そうすると2週間程度退院できることになる。

1日でも長く娑婆にいたい。

もちろん、体調に問題がなければ、という条件付きだ。

今回の退院でやっておきたいことがあった。アパートの片付けだ。食欲もあり、思った以上に体力が回復していた私は、一時退院中に部屋の片付けができるだろうと思い、退院前にすでに管理会社に1月末で退居することを伝えていた。

当分続く入院生活。一時退院の期間は彼氏さんちでお世話になる予定でいる。そして今後はおそらく同棲することになるだろう。毎月の固定費を考えると早めに解約をしておいた方がよい。

12月30日、年の暮れ。彼氏さんと一緒に自分のアパートに行った。

6週間前、「次はいつ自分の部屋に帰ってこられるだろうか。二度と戻れないのではないか。」なとど感傷に浸りながら後にした自分の部屋。久しぶりに入ってみると、まるで他人の部屋に足を踏み入れたかのような気持ちに陥った。不思議な感覚だ。もうここに私の居場所はない。私の部屋であって私の部屋ではない。すでに彼氏さんの部屋のほうが居心地が良くなっていたからかもしれない。

入院前にせっせと断捨離をしていた私。片付けにそれほど時間はかからないだろうと踏んでいたが、それは間違いだったとすぐに思い知らされた。ほとんどの物を処分しようと思い、手際よくゴミ袋に詰め込んでいったが、詰めても詰めても物が減らない。むしろやればやるほど部屋の中は物であふれていった。気づいたらお昼だ。途方に暮れた私たちは、いったん休憩し、お昼ご飯を食べることにした。

作業時間は1時間半くらいだっただろうか。体力が戻っていた私はそれほど疲労感を感じることはなかった。しかし、お昼を食べていると、急に頭が痛くなってきた。しかも、側頭部が押しつぶされるのではないかと思うくらいの激しい痛みだ。

退院の数日前から側頭部に違和感があった。それは「痛い」という感覚ではなかった。あくまで「違和感」というレベル。その違和感がついに痛みに変わったのだ。午後も部屋の片づけをしようと思っていたが、到底無理だった。すぐに彼氏さんちへ帰り横になった。

この病気になって、それまでとは違う「感覚」を経験することが多い。9月に始まった腰痛、その後の首の痛み、倦怠感。そのどれもが48年間生きてきて感じたことのない種類の痛みや違和感だった。経験値がまるで役に立たない。人は予測できない状況に陥るとこうも不安になるのだと思い知らされた。

今回の頭痛もまた初めて感じる痛みだった。ただの頭痛ではないのだ。私の住む地方の言葉で表現するなら「しかしか」する痛みだ。そして時折「ズキーーン、ズキーン」と脈打つように強烈な痛みが走る。

退院時、多少頭に違和感があったが申告しなかったため、鎮痛剤はもらっていない。横になればある程度治まるが、それでも痛みで眠れない。

血液内科では鎮痛剤はロキソニンではなくカロナールが処方される。ロキソニンはあまり良くないと誰かが話していたのを耳にした。カロナールをもらっておけばよかった。今手元にあるのは入院前に耳鼻科でもらったロキソニンだけだ。

せっかく退院して娑婆を満喫しようと思っているのに痛みで寝込んでいてはもったいない。

背に腹は代えられない。私はロキソニンを服用することにした。薬が効いてくると痛みはなくなる。だが、もちろん、何時間かするとまた痛み出す。年末年始は病院は休診だ。退院時、主治医から「何かあればいつでも電話してください。」と言われていたが、できれば次の外来受診までは病院に行きたくない。救急外来に行くと、そのまま入院させられるのではないかと思ったからだ。

大晦日には職場の同僚とお茶をした。頭痛が治まっている時間を見計らい待ち合わせをした。1時間もするとやはり痛み出す。元日は彼氏さんの実家に行き、ご両親と初対面したが、この時も1時間が限界だった。

断続的に襲ってくる頭痛。鎮痛剤を飲んで横になる日々が続いた。

「病気が悪くなっているのではないか。」という不安に押しつぶされそうになりながら外来受診の日を待った。

外来受診。次の入院日が決まる。

1月5日。やっと来た。外来受診の日だ。

入院中、毎日のようにしていた血液検査を久しぶりに受けた。頭痛のこともあり結果を心配したが、特に大きな問題はなかった。肝心の頭痛については次回の入院で頭部MRIを撮って確認することになった。このまま入院させられるのではないかと恐れていたが、この日は鎮痛剤が処方されただけだった。

次回の入院日も決まった。あと1週間娑婆にいられる。

受診をして安心したのか、その後は処方された鎮痛剤で頭痛をコントロールし、思ったより元気に過ごすことができた。部屋の片付けも何とか間に合い、いつでも解約できる状態で入院することができた。

自分の身体のことは自分が一番分かる。

頭が割れそうなくらい酷かった今回の頭痛。私が申告しなければ医師は気づかない。医師はデータが頼りで、患者は感覚が頼りだ。現に血液検査では異常が認められなかった。ちょっとした違和感でも早めに言わないといけないと反省した。

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