2023年2月 地固め療法・2クール目【骨髄バンクに登録する】

闘病記【発症~治療】

骨髄バンクに登録する

フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病の私にとって骨髄移植は必須だ。移植をしないと再発する可能性が高い。予後不良ということだ。

昨年11月、最初の入院時に移植の目途は春ごろだと言われ、12月に自分の白血球の型を、年明けの1月に姉弟の型を調べてもらった。結果は数日で出た。姉弟の型とフルマッチする確率は4分の1とのことで、多少期待はしていたが、姉とは半分だけ適合、弟とは全く型が合わないという結果だった。

血縁者で型が合わない場合は骨髄バンクでドナーを探すことになる。非血縁者とフルマッチする確率はガクンと落ち、数百から数万人に一人だそうだ。見つからない可能性が高い。見つからない場合はさい帯血移植に切り替えるということで、造血幹細胞移植ができないという事態にはならなさそうだ。

姉弟であれば4月には移植できるだろうと言われていたのが、骨髄バンクで調整することになり、5月以降に延びた。

今回の入院中に骨髄バンクに登録するということで、事前に用意しておいた書類を医師に確認してもらい、改めてバンクへの登録から移植までの流れについて説明を受けた。

コーディネートの流れ

まずは患者登録だ。年齢制限はなく、血縁者から提供を受けられない場合に登録できる。患者自身がやるべきことは書類に必要事項を記入することだけで、あとは病院がやってくれる。病院に移植コーディネーターという人がいるので、おそらくその人が手続きをしてくれるのだと思う。

登録すると、さっそくドナー検索が行われる。そして年齢、体格などなど、さまざまな情報をもとに、どのドナーのコーディネートをするか医師が決めるそうだ。同時進行可能なドナーの人数は最大10人ということで、私の場合も10人にしますと言われた。

型が適合するからといって必ずしもドナーになれるとは限らない。健康面や意思面などクリアしなければいけない条件がいくつかある。登録時とは気持ちが変わっていることもあるだろうし、家族に反対されることもあるだろう。コーディネートしてもらう人数が多いに越したことはない。

そしてドナーの確認検査の結果が出ると、最終的にどのドナーに提供を依頼するかを医師が判断し、移植に向けて調整が行われる。

ドナー側のリスクはゼロではない。過去に死亡した例もあると聞いて、ドナー登録はしたものの、いざとなったら決心がゆらぐのではないかと不安になった。

医師は移植までの流れを説明した後、「血縁者と違い、骨髄バンクの場合は費用がけっこうかかります。」と続けた。

100万円、いや、200万円か?いやもっとするだろうか。いずれにしても命がかかっていると思えば安いものだ。

「40万から50万円程度かかると思います。」

と医師は申し訳なさそうな表情をしている。私は正直、拍子抜けした。50万円で命が助かるとは思ってもみなかったからだ。

さらに、収入によっては負担金が免除されることもあるという。免除率は50から100%まで幅があり、免除してもらうには必要書類を骨髄バンクに提出する必要がある。いったん費用を支払ってしまうと免除対象であっても返金はされないため、早めに手続きをした方が良い。

所得税の年額が8万円以上あると免除はされない。自分の所得税がいくらかなんて気にしたことはないが、医師が言うには、おそらく免除対象外とのことだ。それでも一応申請してみてはどうかと勧められた。申請するには住民票や所得課税証明書が必要なため、退院してからやることにした。

白血病になるのは運だ。遺伝や生活習慣は関係ない。そしてドナーが見つかるかどうかも運だ。

この運は誰が決めるのだろうか。

神様か。

少なくとも私が決められるものではないというのは確かだ。

骨髄バンクに登録が済むとその後の進捗状況が気になるところだが、数週間経っても特に何も聞かされなかった。調整には時間がかかるのだ。はやる気持ちを抑えながら、そして過度に期待せず、結果を待つことにした。

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